読書録゛ ‐ どくしょログ

触れた、読んだ、書いた

書評: 10年後の日本

ちょうど今から10年前に書かれた本。10年前にも一度読んでいる本だ。 10年後の日本 (文春新書) 作者: 『日本の論点』編集部 出版社/メーカー: 文藝春秋 発売日: 2005/11 メディア: 新書 クリック: 7回 この商品を含むブログ (40件) を見る その時はあまりピ…

書評: 十二年目の映像

久々の書評更新になる。最後の更新からかなりの月日が立ってしまった。本を読んでなかったわけではないが、書き出すきっかけを失い続けていた。今年は短くても読んだ本については書いていきたい。 十二年目の映像 (集英社文庫) 作者: 帚木蓬生 出版社/メーカ…

書評: American Sniper

映画にもなった作品で、原作を読んでおこうと思い購入した。著者は米軍の伝説的狙撃手であったが、2013年に殺害されこの世を去っている。 American Sniper [Movie Tie-in Edition]: The Autobiography of the Most Lethal Sniper in U.S. Military History …

書評: バカの壁

「人は自分が見たいと思う現実しか見えない」と言ったのはカエサルだが、この「バカの壁」はそれを現代の諸問題と照らし合わせながら詳述したものに近い。 バカの壁 (新潮新書) 作者: 養老孟司 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 2003/04/10 メディア: 新書 …

書評: 恋愛小説 (3タイトル)

ここのところカタイ本が続いたので、少し息が抜ける恋愛モノの小説をいくつか読んでみた。 1ポンドの悲しみ 作者: 石田衣良 出版社/メーカー: 集英社 発売日: 2004/03/06 メディア: 単行本 クリック: 26回 この商品を含むブログ (63件) を見る 石田衣良氏の…

書評: 造物主(ライフメーカー)の選択

前作の「造物主の掟」と比べて格段に面白くなっていると思う。500ページ近い小説だが、話の展開にグイグイ引きこまれていく。 造物主(ライフメーカー)の選択 (創元SF文庫) 作者: ジェイムズ・P ホーガン,James P. Hogan,小隅黎 出版社/メーカー: 東京創元社 …

書評: 最貧困女子

以下の記事を読み、どうしても読みたくなった本である。読む本のバックログがたくさん溜まっているが、これを優先して読まずにはいられなかった。読んだ結果、かなり重く心にこたえ、数日考えこんでしまうほどのものであったが・・。 風俗嬢にもなれない「最…

書評: すばらしい新世界

過去に一度読んだことがあるが、再度読み返してみた。当時はSF小説としてよくできているぐらいの感想しか持たなかったが、今はより実感を持って読むことができる。 すばらしい新世界 (講談社文庫) 作者: ハックスリー,Aldous Huxley,松村達雄 出版社/メーカ…

書評: ブラック企業ビジネス

若者の労働相談を受け持つNPO法人「POSSE」の代表が書いた本。ブラック企業単体だけでなく、それを取り巻くさまざまな登場人物/組織が一つのエコシステムとしてブラックビジネスをまわしていることが読み取れる。 ブラック企業ビジネス (朝日新書) 作者: 今…

書評: イギリス人はおかしい

この本が書かれた時代は今から十数年前だが、現在でも共通する部分は多い。日本から英国に移住すると、はじめ苛立つことは数しれない。 イギリス人はおかしい―日本人ハウスキーパーが見た階級社会の素顔 (文春文庫) 作者: 高尾慶子 出版社/メーカー: 文藝春…

書評: 若者よ、マルクスを読もう 20歳代の模索と情熱

いただく本を乱読するのもたまには良いが、自分の読みたい本も読み進めなくては人生の読書時間がもったいない。 若者よ、マルクスを読もう 20歳代の模索と情熱 (角川ソフィア文庫) 作者: 内田樹,石川康宏 出版社/メーカー: 角川学芸出版 発売日: 2013/09/25 …

書評: 海峡の光

書評のバックログが溜まりまくっている。読んだ内容を忘れはじめているので早く書いていきたい。これも知り合いから頂戴した本。 海峡の光 (新潮文庫) 作者: 辻仁成 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 2000/02/29 メディア: 文庫 購入: 1人 クリック: 10回 …

書評: 黒い家

「新世界より」を読んで以来、 この人の本を読むようになった。 黒い家 (角川ホラー文庫) 作者: 貴志祐介 出版社/メーカー: 角川書店 発売日: 1998/12 メディア: 文庫 購入: 38人 クリック: 500回 この商品を含むブログ (182件) を見る 以前読んだ「新世界よ…

書評: 祝山

友人から貰い受けた本。怖い。 祝山 (光文社文庫) 作者: 加門七海 出版社/メーカー: 光文社 発売日: 2007/09/06 メディア: 文庫 購入: 3人 クリック: 9回 この商品を含むブログ (18件) を見る オカルトを交えた物語構成でとても恐怖感を煽る本であった。筆者…

書評: 政府は必ず嘘をつく

普段、筆者も似たようなことをもっと呆然的かつ断片的に考えていた。陰謀とまではいかないが、何かしら大きな「流れ」として世の中、世界がとある方向に向かいつつあるのではないかと。この本はそれの具体例を交えながら、その危うさに肉薄しながら、見事に…

書評: 夜にその名を呼べば

これも友人から頂いた本。まだドイツが東西に分かれていた頃からはじまる話。 夜にその名を呼べば 作者: 佐々木譲 出版社/メーカー: 早川書房 発売日: 2013/08/23 メディア: Kindle版 この商品を含むブログを見る 物語の主人公は自分の会社に嵌められ、「東…

書評: 38口径の告発

友人からいただいた本。 38口径の告発 (朝日文庫) 作者: 今野敏 出版社/メーカー: 朝日新聞出版 発売日: 2010/03/05 メディア: 文庫 購入: 1人 クリック: 11回 この商品を含むブログ (3件) を見る 知り合いや友人から貸してもらったり、いただいたりする本は…

書評: The Indifference Engine

最近、この人の本にハマってしまっている。 The Indifference Engine 作者: 伊藤計劃 出版社/メーカー: 早川書房 発売日: 2013/11/15 メディア: Kindle版 この商品を含むブログ (3件) を見る 前読んだ「虐殺器官」、「ハーモニー」の二冊とは違い、こちらは…

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書評: ハーモニー

先日、書評した「虐殺器官」の続編に当たる小説。「虐殺器官」を読まなくても物語として面白いと思うが、読んでおいたほうがより深みが増すのは間違いない。 ハーモニー (ハヤカワ文庫JA) 作者: 伊藤計劃 出版社/メーカー: 早川書房 発売日: 2010/12/08 メデ…

書評: 虐殺器官

ここ最近読んだSF小説の中では間違いなく秀逸な作品。作者が他界していることが本当に惜しまれる。 虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA) 作者: 伊藤計劃 出版社/メーカー: 早川書房 発売日: 2010/02/10 メディア: 文庫 購入: 75人 クリック: 954回 この商品を含むブロ…

書評: 沈黙の画布

絵画のことは正直よくわからない。だが、気に入った絵を眺めるのは好きだ。 沈黙の画布 (新潮文庫) 作者: 篠田節子 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 2012/07/28 メディア: 文庫 購入: 1人 クリック: 1回 この商品を含むブログ (1件) を見る 英国に来て面白…

書評: ルポ 貧困大国アメリカ

経済的な徴兵という概念をこの本で知った。筆者にとって、読むのは今回で二度目となる本だ。 ルポ 貧困大国アメリカ (岩波新書) 作者: 堤未果 出版社/メーカー: 岩波書店 発売日: 2008/01/22 メディア: 新書 購入: 39人 クリック: 606回 この商品を含むブロ…

書評: Another

続けて書評。 Another(上) (角川文庫) 作者: 綾辻行人 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング) 発売日: 2011/11/25 メディア: 文庫 購入: 4人 クリック: 29回 この商品を含むブログ (58件) を見る Another(下) (角川文庫)…

書評: オロロ畑でつかまえて

ここのところ多くの本を読むことができてなかなか幸せだ。引き続き、書評。 オロロ畑でつかまえて (集英社文庫) 作者: 荻原浩 出版社/メーカー: 集英社 発売日: 2001/10 メディア: 文庫 購入: 5人 クリック: 46回 この商品を含むブログ (66件) を見る 正直、…

書評: インシテミル

閉鎖空間で行われるサバイバルゲーム小説。 インシテミル (文春文庫) 作者: 米澤穂信 出版社/メーカー: 文藝春秋 発売日: 2010/06/10 メディア: 文庫 購入: 12人 クリック: 132回 この商品を含むブログ (212件) を見る 限られたリソースや空間内で行われる出…

書評: ワイルド・ソウル

前回に続いてまた書評である。 日本政府に見捨てられたブラジル移民たちの復讐劇。フィクション、ノンフィクションが半々で混じっている感じの小説。 ワイルド・ソウル〈上〉 (新潮文庫) 作者: 垣根涼介 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 2009/10/28 メディ…

書評: ネクスト・ソサエティ ― 歴史が見たことのない未来がはじまる

ブログの更新に間が空いてしまったが、今回は書評を書きたい。ドラッカーの未来予測というか、これからの産業や社会のあり方について述べている本である。 ネクスト・ソサエティ ― 歴史が見たことのない未来がはじまる 作者: P・F・ドラッカー,上田惇生 出版…

書評: 造物主(ライフメーカー)の掟

ジェイムズ・P・ホーガンの著書では、ほかに「星を継ぐもの」のシリーズを以前に読んだことがある。 造物主(ライフメーカー)の掟 (創元SF文庫 (663-7)) 作者: ジェイムズ・P・ホーガン,小隅黎 出版社/メーカー: 東京創元社 発売日: 1985/09 メディア: 文庫 …

映画評: Maleficent (マレフィセント)

立て続けに本のレビューでは少々退屈なので、映画評も書いてみたい。 マレフィセント | ディズニー映画 『マレフィセント』予告編 - YouTube 日本ではまだ封切前であるので、ネタバレしない程度に書くと、「眠れる森の美女」の別解釈バージョンの映画である…